聖なる女

「よぉ、お待ちどう!オレ様こそマッシーモ。通称クレイジーマシモ。監督としての腕は天下一品!伏線?回収?だから何?」

・・・これは、アレです。
真下監督からの挑戦状。
ついてこられるものならついてこいやっ!
っていう・・・。

ナディたちを追うブルーアイズ一行。
その背後で、「惑う女」の回で老人を操っていた魔女(ザイダ?)がぶつくさ何か言っています。
「けがれなき魂を持つものよ。声なき声に耳をかたむけ、真の意を汲むものよ。」
この声は、三石議長!!
そして呼びかけられているのはリリオなんですね。
なんのためにリリオに接触したのか?それは、のちに明らかになります。

ついにウィニャイマルカ(マチュピチュっぽい)へ辿り着いたナディたち。
エリスの先導で地下施設に入っていきます。
待っているのは祭壇っぽい巨石の構造物と石柱の上の超でっかいインカローズ
「待っていました。ここは古の魔女達が祈りを捧げた聖地です。」
出てきたよ、着飾った変態マスターが。
ローゼンバーグ曰く、永く眠っていた遺跡の力がエリスが近づくことで甦ったとのこと。
ナディの撃った銃弾はインカローズの力に阻まれローゼンバーグに届きません。
ローゼンバーグがただの人間であることを考えると、あの妙ちきりんな衣装と装飾品は、遺跡の力を制御するための遺物のようです。
今回のナディはちょっと強い。
地面から突然現れる石柱を避けながら、エリスにも飛んでくる石塊を銃で撃ち砕いていきます。
ローゼンバーグの銃も弾き飛ばし突きつける決め台詞。
「遺言があったらどうぞ」
ローゼンバーグは自分が博士を殺したことをついに白状します。
エリス覚醒のためにはエリスの愛する者の死が必要だったというローゼンバーグ。
復讐のためにこんなことをしているのか、というナディに、ローゼンバーグは答えます。
自分の目的は復讐ではないと。
Bレディさん、とっても役立たずです。でもかわいいから許す。
ここからローゼンバーグが語り出すこと。そのすべてが真実であるとはにわかには信じられないわけですが、彼曰く、
プロジェクトリバイアサンが凍結された後、エリスをシュナイダー博士にあずけたのは自分であり、
博士とエリスが心を通わせ、やがて愛しあうようになることも計画のうちであった、と。
ローゼンバーグの話を聞くうちにエリスがハァハァし始めます。
「エリス、君はあまりにも美しすぎて、私には触れることさえままならないのだから。」
「そんな話、嘘だから!」
と、ナディ。
しかし、
「エリス、私は君を愛しています、エリス。」
キモいよー、ローゼンバーグ。てか、それ、愛の告白であって目的じゃないだろ!
しかし、エリスの覚醒が始まってしまいます。
明確な説明があるわけではないので、この部分のローゼンバーグの言葉が本心なのか、それとも演技なのか判断に迷うところです。
(個人的にはメリッサがあまりにもカワイソス(´・ω・`)なので、演技であると思いたい。)
いずれにしても、それはエリスにシュナイダー博士殺害の記憶を思い出させ、魔女の力の覚醒を促すための罠だったようです。
赤い光に包まれ、宙に浮かぶエリス。
「エリスはたしかに受け取りました。ナディ、あなたには死んでいただきます。」
うってかわって冷淡な口調で告げるローゼンバーグ。
例の呪文を唱え始めます。
青い光に包まれ、生贄を捧げる台座のようなものに横たわることになるナディ。
ナディの体からは、生命力(たぶんそんな感じの何か)が奪われ、インカローズを経由し、エリスに魔女の力として注ぎ込まれている様子です。
渦巻く空に伸びる赤い光の柱。
それを見てブルーアイズたちは、ナディたちの場所へと急ぎます。

体の力を奪われていくナディ。
「ごめん。ごめんね、エリス。あたし、あんたのことを、もう、守れそうにない・・・。」
そんなナディにエリスは語りかけます。
「ナディ。私も、もうダメ。ナディと過ごした思い出、消えそうになってる・・・。」
エリスのポケットから出てくるコイン。
エリスの弾いたそのコインはナディの頭上に浮かびます。
「・・・おつりはとっといて。」
その一言でエリスの意図を理解するナディ。
「・・・あたしを、撃って。」
そんなことできない、とナディ。
しかし、エリスは涙を浮かべながら訴えるのです。
自分がナディとの記憶を失い、ローゼンバーグに操られ、魔女の力で誰かを傷つけるのは、絶対にイヤだと。
でも、と逡巡するナディにエリスはさらに訴えます。
これしか方法がないと。
エリスは自分が自分であるうちに、大好きなナディの手によって死にたいと願うのです。
そしてナディはそれが自分にしかできない仕事であることを理解します。
「・・・わかったよ。その仕事、確かに引き受けた。」
宙に浮かぶコインを握りしめ、そしてナディは銃をエリスに向けます。
「・・遺言があったら・・どうぞ・・」
「・・大好きだよ、ナディ・・・。」
「・・エリス。」
ナディのまなじりを伝い落ちる涙。
そして放たれた銃弾。
エリスの死によってインカローズの力は失われます。
地面に投げ出されたエリスの体ににじり寄るナディ。
「・・・寂しい思いだけは・・・させないよ・・・私も今そっちへいくから・・・。」
そしてエリスと手に手を取り、寄り添うように絶命するナディ。
二人の愛はローゼンバーグの企みに打ち勝ったのか?
予告から予想されていたこととはいえ、この百合心中END(心中じゃないけど)は悲しすぎます。
そこへようやく到着するブルーアイズたち。
リカルドがローゼンバーグに銃を向け牽制する一方で、ブルーアイズは二人に駆け寄ります。
眠るように死んでいる二人。
「・・違う・・違うわ・・目を開けて、エリス!起きなさい、ナディ!お願いだから!」
二人を喪った悲しみがブルーアイズを満たし、溢れそうになったその瞬間、小さなその手をブルーアイズの肩に置いたリリオが・・・・、
「魔女の力は、お前にも、ある。信じなさい、ブルーアイズ。」
あのリリオがしゃべった!!!!
光り始めるブルーアイズのインカローズ
リリオの呪文詠唱。それはどうやら三石議長がリリオを通じて行っている様子。
そしてインカローズ見ながらハァハァしてるブルーアイズがすっげー可愛いんですが!!!
不覚にも萌えてしまいました。
魔女の力でエリスの傷を修復し銃弾を摘出するブルーアイズ。
リリオは中継役としての力を使い果たしたのか意識を失います。
しかし回復したのはエリスのみ。
ナディの躯は冷たいままです。
「ナディ!!おい、もう一度ザオラル。」
リカルドの呼びかけも空しく力を使い果たしたブルーアイズは意識を失ってしまいます。
ここまで事態を傍観していただけのローゼンバーグは、ブルーアイズの百合を愛でる心を褒め称えつつ、復活したエリスを横からかっさらっていこうとします。
「もはや、インカローズの力は不要です。」
自爆ボタンっぽいものを押すローゼンバーグ。
遺跡が崩壊し始める中、また旅を始めようというローゼンバーグをエリスは、魔女の力で弾き飛ばします。
覚醒し、魔女の力を自在に操ることのできるエリス。
そしてナディとの記憶を失っていないエリスは、ナディの体を抱きしめ、その魂を呼び戻すのです。
ザオリク!そして、ベホマズン
ナディを抱きしめるエリスから溢れる光。
その光に照らされリリオとブルーアイズも意識を取り戻します。
エリスの背中を再び抱きしめるナディの手。
ナディ復活!!
タコなぐりになる身の危険を感じたのか、逃げ出すローゼンバーグ。
追いかける二人。
その時、何かを感じ取り振り返ったエリスは、そこに博士の幻影を見ます。
ローゼンバーグによるハインツ・シュナイダー博士殺害から始まったエリスの旅。
人工生命体であるエリスに、人間としての幸福を、という博士の願い。
ローゼンバーグによって絶たれてしまった博士のその願いが、今、叶おうとしています。
(ありがとう、エリス。)
その言葉は、エリスを過去の軛から解き放つための、博士からの別れの言葉でもあります。
二人を心配し後を追おうとするブルーアイズに議長が語りかけます。
エリスは魔女の力を正しく使う術を身につけた、と。
「これでわれらも心を穏やかにして滅びの道を歩むことができるでしょう。」
そして消える議長。
彼女は現代に生きる本物の魔女なのですね。
ローゼンバーグの企みの一枚上手を行った彼女こそが、エリスとナディの旅の本当の導き手だったのかもしれません。
荒野での最後の対決シーン。挿入歌el cazadorがガンガンかかり、真下テイストたっぷりです。うはぁ。
荒野で対峙するナディとローゼンバーグ。
ローゼンバーグがナディをまっすぐ見据え、銃で狙う中、ナディは目を閉じ銃を降ろしています。
最初のシーン、ナディとローゼンバーグの影が地面に描かれていますが、エリスとエリスの影は表現されていません。
しかし、ナディが目を開くカットでは、ナディの背後に重なる位置から目を閉じたエリスが現れます。
目を見開くエリス。
二人の視線に射抜かれ、目を細めるローゼンバーグ。
エリスはナディから銃を受け取り、ローゼンバーグに向けて構えます。
そのエリスの銃に背後から手を添えるナディ。
見よ!この無敵百合フォーメーション!!
その様を鼻先で笑うローゼンバーグ。
「・・遺言があったらどうぞ・・」
バーンって、エリス!はえええよっ!!
と、思ったのですが、見直してみるとナディと対峙している時のローゼンバーグの銃の撃鉄は引き起こされていました。
そして撃たれたローゼンバーグが大地に横たわっているシーンに映し出されたローゼンバーグの銃の撃鉄は落ちています。
銃声は一発のように聞こえましたが、ローゼンバーグも引き金を引いていたことがわかります。
つまり、エリスの「遺言があったらどうぞ」に対し、ローゼンバーグは間髪入れず無言で撃ってきた。そしてそれに反応したナディがほぼ同時に引き金を引いた・・・という事のような気がします。
「・・・エリス・・・私は・・あなたが・・妬ましい・・・」
この場面、エリスに語りかけるローゼンバーグの目はナディを見ています。
ローゼンバーグが銃で狙いをさだめていた相手、どうしても排除したかった人物、それはエリスをローゼンバーグから奪い去ったナディです。
ところで次の銃弾がぽとりと地面に落ちる場面が問題です。
この銃弾はどこから落ちたの??
素直に解釈すれば、これはナディを狙って撃たれたローゼンバーグの銃弾です。
ナディの命を奪っていたはずのその銃弾は、エリスの魔女の力によって空中で止められていた。
だからナディを排除したいローゼンバーグの思惑を魔女の力で邪魔するエリスのことが、ローゼンバーグは妬ましいのだ、と。
でもひょっとしたらもう一つの解釈が成立する余地も残っているのかもしれません。
あれはローゼンバーグの体から摘出されたエリスとナディの撃った銃弾だ、と。
銃を撃った瞬間のエリスは目を開いています。
一方、銃弾が落ちる場面の直前のカットでは、エリスの目は閉じています。
魔女の力を使う間、エリスが目を閉じていたのだとすると、エリスが力を使ったのは発砲の瞬間ではなく、発砲後のことであり、それはローゼンバーグの体から銃弾を取り出すためだった・・・のかも。
そして、ローゼンバーグは彼の生殺与奪を自由に出来るほどに強力な魔女の力を得たエリスのことが妬ましいのだ、と。
この場合、ローゼンバーグの撃った銃弾の行方が気になりますが、真下主人公補正がかかると敵方の撃った弾丸は異次元に消えるので問題ありません。(おい!!)
旅の終わりを告げるブルーアイズのナレーションと太陽に向かって飛ぶ二羽の鳥。
それは本当の意味で自由になったエリスとナディの姿ですね。
愛でたし、愛でたし。
しかし、ここにきて、こんなにも資質を試されるとは思わなかったぜ、フゥハハハーハァー。
次回は、最終回「輝く女」。
予告映像よりも気になる、ビートレイン公式の画像のあのメガネ男。
信じないぞっ!もうビートレインの予告なんてっ!