降られた女

オカマ二人連れの車のトランクに隠れている間に、肝心なシーンを撮り逃がしているエルエー。
お前に期待したのは間違いだったよ・・・。
ガイコツの住む家で雨宿りする賞金首と賞金稼ぎ。
家族の写真を見つけてからの短い会話から、ナディが家族を失った天涯孤独の身であること、エリスが博士以外に親しい人物(家族すら)を知らなかった様子が描かれます。
リカルドにも家族がいなさそうだし、賞金稼ぎは孤独な商売なんでしょうか。
それはともかく、トカゲ救出のために増水する川に飛び込むエリスの電波少女ぶりは今日も全開。
そしてナディ不殺記録更新。手錠だけを撃ち抜く手さばきからナディの銃の腕は相当なものなのであることがうかがえます。
第一回の感想の時にも書きましたが、ナディの造形はこれまでの真下アニメ(Noir三部作?)の文脈からは異色なものです。しかし、一般的なアニメその他のエンターテインメント作品の文脈から言えば「不殺の主人公」は珍しい存在ではありません。むしろ「不殺の主人公」に対するカウンターとして、人間の「業」や「本質」をテーマとしてきたのが真下アニメであり、そのテーマがあったからこそ、放送コードを乗り越えてアニメで「殺人」を描くことが許されていた、とも考えられます。テーマの重さとそれをエクスキューズとしたエンターテインメントとしてのガンアクションの微妙で絶妙なバランス。
一見、エル・カザドではこれらが軽やかに投げ捨てられているようにも見えます。
しかし、自分はナディの造形はエル・カザドのテーマのための必然なのだと信じて期待していますよ、監督。