狙う女

そこかー。そこなのか、エルエーっ!!と、最後の最後で叫びました。
お前、エリスのこと見てるんとちゃうんか、と。
↑全くどうでもいいことですね。
修道院に逃げ込むことになったいきさつは大胆に省略して、銃撃戦をたっぷり見せ・・・アレ?・・・・ではなく、エリスの奇妙な間のボケをたっぷり見せる演出。
なんか・・こう・・・ジワジワきますね、エリス。
今回はジョディ”ブルーアイズ”ヘイワードが、物語の背景をやさしく解説するナレーション入り。親切設計な回でありました。
ローゼンバーグは国の意向で科学者(プロジェクトリバイアサンに関わった?)の暗殺を指示する一方で、個人的野心実現のためエリスを泳がせている、とジョディは考えているようです。
プロジェクトリバイアサンの成果を秘密裏に手に入れようとしているローゼンバーグと、プロジェクトそのものの解体を目論むジョディの対立が物語の軸となるようです。
それにしてもジョディは何者なのでしょう?あの宝石・・・もしや・・・。
エリスの夢での回想シーンの博士とのやりとりを見るに、博士は優しい人物だったようです。
個人的には、エリスにとって唯一の親しい人物だったと思われる博士を、エリス自身が殺したとは現時点では考えにくい気がします。
博士が何者かに殺されたとすれば、それは、エリスを研究対象として扱うことを拒んだためではないか?
そうでないとするなら、博士はエリスとの約束を守れなかったために死んだのではないか?
そんなことを匂わせるエリスの涙でありました。
そして、ナディ。今回も(おそらく)不殺記録更新(かな?かな?
ナディの腕なら二人組の息の根を止めるチャンスはいくらでもあるような気がしますが、冒頭のシーンでも威嚇射撃程度の反撃しかしていなかったように思います。
修道院で殺生するわけにはいかない」
と、いうのはナディの弁ですが、それ以上の何かかたくななものをナディは持っているようにも思えます。
「かたくなな性格は損だ。せっかくのチャンスを逃してしまう。」
というのはローゼンバーグの言葉ですが、その言葉通り、ナディとエリスは二人組を外へおびき出すことに失敗し窮地に立たされます。
ナディと違いオカマ二人組は本気でナディの命を狙って発砲します。
しかし頭を狙って躊躇なく発砲された弾丸をひょいとよけるナディにはやはり真下主人公補正がかかってますね。
エリスの能力が発動し、お気楽シスターズの助太刀もあって窮地を脱したナディは決着をつけるために、修道院の外へとオカマ二人組を誘います。
おおお、エリスが自動車の運転してるよ。とか、どうでもいいことに感心したりしていました。
オカマ二人組の弾が全く当たらないのは、いつもの真下フィールドが展開されていると考えて良いとして、ナディは一発の弾丸でタイヤを破裂させお仕事終了。
自動車は大破したようで、オカマ二人組の生死は不明だけど、ナディが直接オカマたちを狙わなかったのは確か。
というわけで、不殺記録更新と考えています。
それよりトランクの中にまだエルエーがいるなら今頃肉ミンチだろ、と思っていたらリリオの乗るバスの屋根の上で格好付けてるから冒頭の感想になったわけで。
最後の聖母子像に重ねての「エリスは神の子ではない」というジョディの言葉は、いろいろな想像のふくらむ言葉です。
一つは、エリスが遺伝子工学により人為的に産み出された生命であって、自然な営みの中で生まれた存在ではないこと。
また、文字通りマクスウェルの悪魔を使役する魔女の血を引く者であること。
そして、エリスが心に信ずるものを持ってはいないこと。
「神に守られている」というシスター達に対し、「誰も守ってなんかくれない。」とエリスはつぶやきます。
最初、シスター達の言葉は裏付けのないカラ元気のようなモノで、頼りないことこの上ない感じなのですが、ナディたちの窮地に飛び込み「主よ、お許しを〜」といいながら棍棒をオカマにふるう頃には、不思議なたくましさを感じさせるようになっています。
彼女たちにとっての「神に守られている」という信念は、結果の部分に置かれるものなのではなく、行動の動機の部分に置かれるものなのですね。
処女懐胎によって生まれた嬰児キリストを胸に抱く聖母マリア
それに対して、遺伝子工学により産み出された魔女エリスを護り導くのがナディなのでしょうか?
まったりとした中に情報量の多い回でした。
エル・カザド、面白くなってきました。