羽ばたく女

今回もブルーアイズお仕置きタイムから始まったエル・カザド
ルーレット台に鎖でつながれるというつらいんだかつらくないんだかよくわからないいつもの魔女会議流のお仕置きですが、Bレディ1号(?)も後ろ手に縛られ椅子でうなだれている様子。もしかしたら、例のウサミミ仮面風の下っ端がくすぐり棒を使い非人道的な拷問を行っているのではなかろうか?全く許せんな。
とか、妄想はこれぐらいにして、誰が見ても無能集団になってしまったブルーアイズとその一味にナディ抹殺指令が下ります。
しかも実行者としてブルーアイズ本人を三石議長がご指名。
たしかにこのところのブルーアイズは何かおかしい。
前回でもそうだったように、明かなチャンスを見逃して、まるでエリス確保を先延ばしにしているように見えます。
ブルーアイズはやれば出来る子のハズ。
エリス確保を逡巡するブルーアイズに秘められた想いとその決断が明らかになるブルーアイズ主役回です。
前回ズンドコに落ちたエルエーは、エリスの「終わりにしよう」のダメージから回復してない模様。
「僕らはまだ始まってもいないのに・・・」
ですよねー(棒読み)
様子のおかしなエルエーに話しかける花売りの少女。
一瞬ひやりとしましたが、少女の花をすべて買ってナディたちへの前衛的な道しるべにしたようです。
気まぐれなのか、混乱しているだけなのか、エリスに嫌われそうな行為を回避したのか、真意はわかりませんがエルエーに変化が起こりつつあるのは間違いなさそう。
我らが悩める変態くんは今回はこれだけで退場のようです。
しかし、エリスに知り合いではないと言われたり、エルエーの話はしたくないと言われたりと完全に嫌われてます。やってきたことを考えるとしかたないんだけれども。
射撃訓練後、プールサイドでくつろぐブルーアイズ&Bレディ1号(素顔&水着着用)にBレディ2号から電話報告が。
なにやらアヤシイ動きをしているナディとエリス。
古くさいペテンにひっかかった馬鹿正直な百合カップルが素手でコンドルを捕まえようとしている・・・・らしい。
好機到来と駆けつけるブルーアイズですが、なかなか思うようなチャンスが巡ってきません。
と、同時にチャンスが巡ってこなかったことに、ホッとしているブルーアイズでもあります。
かくして鳥のいる泉と隠れ家の穴蔵を時々行ったり来たりする百合カップルの甘々トークにツッコミつつナディを狙い撃つという罰ゲームっぽい状況にブルーアイズは置かれるわけですね。
鳥のように飛んでみたい、というエリス。
羽根があれば自由に好きなところに行けるのに、というナディ。
行きたい場所があるのかと問うエリスに、よく考えるとそんな場所はなかった、と返すナディ。
ナディのノープランな人生にツッコむブルーアイズ。
気ままな生き方を好むナディらしいセリフなのですが、次の
「ただし、一人旅だけは無し。」
というセリフはかつて「降られた女」の回で「私は幸せな方。もう(親しい人たちは)みんな死んでる。」と言っていたことを考えると隔世の感があります。
しかも続けて「誰かが一緒じゃないとね。」と言うときにちらりとエリスを見るナディ。
そして期待に目をキラキラさせながら、
「誰かって、私のこと?」
と、問い返すエリス。
甘々ぢゃん!!もう君ら結婚しちゃえよ!!
しばらくして寝てしまったナディは寝言でブルーアイズの名前を出してしまいます。
ブルーアイズという人物について尋ねるエリスに歯に衣着せぬ物言いで言いたい放題のナディ。
あー、ブルーアイズ、ムカついてます。さすが命知らずの賞金稼ぎですね、ナディ。
組織に生きるブルーアイズと自由気ままなナディ。
住む世界が違いすぎる、というナディに対し、ブルーアイズは言い返します。
「たとえ組織の一員であっても、叶えたい望みがある・・・いつかたどり着きたいと願う場所がある・・・。」
冷徹な歯車としてこれまで生きてきたブルーアイズ。
でも、それだけの人間であるというナディの評価には、胸に秘めた想いがあればこそ、反発しないではいられなかったのですね。
降りてきた鳥に近づくナディとエリス。
エリスがナディに近いため、ブルーアイズは狙撃することが出来ません。
そして、ようやく鳥を捕まえたナディたち。
しかし大空を自由に舞う鳥の姿をナディに重ねたエリスは、鳥を再び放してしまいます。
自由の空への助走を開始するコンドル。
「・・・早く・・・・飛んで!」
エリスの言葉がブルーアイズの胸を貫きます。
「・・・飛んで!・・・・飛んで!!」
飛び立ったコンドルをみつめるブルーアイズ。
狙撃を促すBレディの声に我に返り、スコープ越しに屈託のない二人の笑顔を見るブルーアイズの中でせめぎ合う二つの心。
そして響き渡る銃声・・・。
ブルーアイズはナディではなく、自身の組織との連絡用ケータイを撃ち抜いたのです。
二人の前に姿を現したブルーアイズの目は、もうナディとエリスを見てはいません。
力強く空を舞う鳥の姿を追っています。
エリスの言葉に促され、自由の空へ羽ばたくことを、
組織に生きるより、自分の想いにしたがって生きる事を選んだブルーアイズ。
彼女もまたナディとエリスを自由の空へ返すことにしたようです。
夕焼けの中、Bレディたちの前で、自分が力を使うことのできない魔女であることを告白します。
エリスが「あの場所」(ウィニャイマルカ?)に到達することで魔女としての覚醒を迎えるならば、ブルーアイズ自身にもそれが起こる可能性があると彼女は考えているようです。
「守る男」の回でインカローズの共鳴とエリスの魔女の力の発動を目の当たりにした彼女。
「囚われた女」の回で、あんなにもインカローズのペンダントを見つめていたのは、再びインカローズが共鳴し、ブルーアイズ自身の「力」が目覚めるその瞬間を待っていた、ということになるのでしょう。
「力」を使えない魔女として組織の中で生きてきたブルーアイズ。
それはまるで飛べない鳥のよう。
そんなブルーアイズは、いつしかナディとエリスの旅に自身の希望を重ねていたのかもしれません。
Bレディたちともこれでお別れ。
肩の力が抜けてどこかスッキリした表情のブルーアイズですが、次回、Bレディ2号あたりがあっさりブルーアイズの銀行口座を凍結していそうで心配です。
さて、
今週のダグ&メリッサは籠の鳥を逃がしてしまったようです。
ブルーアイズという優しい監視者に見守られていたこれまでのナディとエリスは、まさに籠の鳥であったわけです。
風雨に耐え、寄り添って立つ二輪の野の花のように、これからナディたちが生きていけるのかどうか。
本当の戦いはこれからなのですね。
次回は「目覚める女」。
予告のロケットの写真の女性が気になります。