目覚める女

「魂、大解放中」のエリスにさえ、近づこうとして弾かれ、どっか飛んでいったエルエーが哀れで哀れで・・・。
ウィニャイマルカを目指すナディとエリス。
ナディは立ち寄った町で出会った老人から魔女の村の話を聞きます。
10年ぐらい前に大きな火事で滅びたというその町から逃れた魔女ザイダを妻にしていたという老人。
老人の話すザイダの能力はエリスと重なるものです。
老人の話が真実であると確信するナディ。
一方、腕輪に操られエリスの前に現れたエルエーもウィニャイマルカへの道を指し示し消えます。
魔女がかつて空や大地、水を操る強力な力を持っていて、それによって人々に五穀豊穣をもたらした存在であったことを老人はナディに語って聞かせます。
老人によれば村を出た魔女は力を徐々に失っていくと言います。
その会話を盗聴しているブルーアイズ。
彼女はナディとエリスの追跡を独自に続けているのですね。
ガソリンを買うお金もなくなったナディたちは、またバイトを探しますが、日払いの働き口がそもそもこんな小さな町にない模様。
二人してパンのことを思い、ハラヘリの音が鳴るナディとエリス。
そんな二人にパンを差し出すリリオ。(どこから涌いた?)
同じように金欠になったリカルドは二人に「人食いネコ」に懸かった賞金を山分けする話を持ちかけます。
「人食いネコ」に先に遭遇したのはリカルド。
しかしリカルドは「人食いネコ」に足をやられます。
棒をつかんで「人食いネコ」を追いかけ始めるリリオ。
ナディやエリスの説得で、リリオはリカルドを病院に連れて行くことになりますが、傷ついたリカルドを見て、リリオにしては珍しく激しい感情がわき起こっているようです。
この部分の描写、なんだかイヤな予感のするイベントの伏線のような気がしてなりません。
頼む、生き残ってくれ、リカルド。
草原で目覚めるエルエー。
彼には腕輪に操られた間の記憶がありません。
「人食いネコ」を追いかける彼らを見つめるエルエー。
ローゼンバーグの指がEnterを叩いた瞬間、エルエーの腕輪が動作し始めます。
ローゼンバーグに報告を入れていた人物、それは腕輪に操られていたエルエーなのですね。
電話で彼に次の指示を与えるローゼンバーグ。
ローゼンバーグにとって、それは湖の見えるレストランでメリッサを待たせ、車中に鍵を探しに戻る間の出来事です。
彼は、メリッサにも隠してこれまでエルエーへの指示を行ってきたようです。
まだネコというには大きすぎる獣を追いかけているナディとエリス。
怪我をしたと思われる獣の血の跡を追うナディたちですが、それはローゼンバーグの指示に従うエルエーによる誘導だったようです。
古代遺跡の石柱の上に置かれた巨大なインカローズと共鳴し始めるエリスのインカローズ
インカローズから放たれた赤い光はウィニャイマルカへの道を指し示しているようです。
なんだかエリスの目が、黒エリスとでも言うべきものに変わってます。

 天翔たる七色の衣
 雄々しきは地を裂く炎の舞い
 猛り狂わん飛沫の怒号
 そはすべて魔性の極まり
 赤き御魂の導きの果て

清水愛のいつものエリスとは違う黒い演技にドキドキします。
今回、ローゼンバーグとエリスが詠唱したこの文句。
ブルーアイズが「嘘」と思わず漏らしたところから、魔女にだけ伝わるなにがしかの伝承なのかもしれません。
浮遊するエリスの体。
ブルーアイズのインカローズも共鳴しその輝きを増しています。
エルエーはコントロールを解かれ・・・・まあ、「エリス、僕の女神!」とかいいながら弾かれちゃうんですけど。
宮野のキモ演技は本当に一級品。
ブルーアイズによると、エリスは魂が解放された状態で回りの状況は全く理解できないとのこと。
インカローズの輝きで覚醒するエリスの力は遺跡を崩壊へと導きます。
石柱の倒壊に巻き込まれそうになるブルーアイズを助けるナディ。
しかしブルーアイズを突き飛ばすナディの体に落下する石が・・・。
エリスのインカローズが輝きを失うと同時に魂の解放は終息します。
意識を取り戻すエリス。しかしそこには傷ついたナディが・・・。
さて今回のダグ&メリッサ。
メリッサがシャワーを浴びている間に、報告の連絡を受けたローゼンバーグは、ついに目指していた終着点に計画がたどり着こうとしていることを確信します。
引き出しから取り出したのは一丁の拳銃。
その装飾は、「メイプルリーフ」の回で、不気味な光を放っていた謎の装飾、あれと同じものです。
使えるの?と問うメリッサに、僕を撃ってみるかい?と返すローゼンバーグ。
冗談では済まない何らかの緊張関係がダグとメリッサの間にはあるような、ないような、そんな毎回謎めいた演出ですよね。
たまには目的もなく出掛けるのもいいと思った、というローゼンバーグはメリッサを連れて街へ出掛けます。
メリッサの耳に輝くインカローズのイヤリング。
なんとローゼンバーグからメリッサへの初めてのプレゼントであったことが明かされます。
このスケコマシっ!メリッサとは何者なのでしょうか?
それはともかく、魔女会議下っ端のウサミミ仮面もどき!車で尾行する時は覆面を脱げよ。怪しすぎです。
湖の見えるレストランで食事を楽しんだ後、二人はホテルに宿をとったのでしょうか。
夜半にはメリッサをベッドに残し飛行機に搭乗しているローゼンバーグ。
監視していたウサミミ仮面もどきはローゼンバーグに片付けられたようです。
残されたメリッサの瞳からこぼれる涙が、てのひらのインカローズのイヤリングに落ちます。
彼女は何かを予感し、そして、その日が来る覚悟をしていたのかもしれません。
そして少なくともメリッサにとってのローゼンバーグは、真実の愛をかたむける対象であったようです。
ついに動き始めたローゼンバーグ。未だ明かされないその目的にメリッサは関わっているのでしょうか?
それとも・・・。

ところで今回のスペシャルゲストは野沢那智さん。
大ベテランのスペシャルゲストをこれでもかと投入するエル・カザド
野沢那智さん演ずるウィニャイマルカへの道を示した老人のキャラクターデザインが、なんだか野沢那智さんご本人に似ているような似てないような・・・。

次回は「惑う女」。
予告は、雨の中、エリスを後ろから抱きしめるナディ。
あかん、もう涙腺が・・・。