輝く女

ついに終わってしまった。
ナディとエリスの旅をもっと見ていたいのに、それなのに物語が終わってしまうということに対しての寂しさを感じてしまいます。

ロベルトとニーナ老夫婦の営む小さな店で店番をしているナディ。
街でゆっくり映画や買い物を楽しんできてと、二人を送り出します。
手を降るナディは、ごく普通の(男物っぽい)シャツとパンツを身につけ、あの独特だった(ちょっぴりフロエ風味のシルエットの)髪型も今は三つ編みにしている様子。
ポンチョもガンベルトも身につけていない普段着の(相変わらず色気のない)ナディです。
声をかける保安官ペドロと息子のホアキン
「・・おぅおぅ、また挑戦的な目をしてぇ。」
「男女。」
ナディの胸がぺったんこだ、という意味だよねっ?ホアキン
キャラデザやってる菊地洋子作監回ですから、このぺったんこナディこそが、エル・カザドのデフォです。(よね?)
リカルドの見てる前で水着で温泉に入ったとき(「逆らう女」)は、がんばってパッドを2,3枚重ねたんだよね?ナディ?
(遺言があったらどーぞ?)
・・・それはともかく、
店番をペドロにまかせ、ハンモックで寝てるエリスを起こすナディ。
伸びた髪を後ろでくくっていたり、オーバーオールの片方の肩がはずれたまま着ていたり、相変わらずの独特なセンスのエリスですね。
「空、高いね。」
「メイプルリーフ」の時には、博士に向かって言ったこのセリフ。
今はナディが聞いています。
良かった。良かったね。エリス。・゚・(つД`)・゚・

店の手伝いをしてくれているペドロとホアキン
ペドロにありがとうと礼をいうナディに、ホアキンは「男女」と相変わらずの調子ですね。
でもそんなホアキンも頭を撫でてくれるエリスには満面の笑みで応えています。
親しみに満ちた4人のやりとりから、ナディとエリスがこの町で生活し始めてから相応の時間がたっていることが伺えます。
ホアキンの「男女」に対して「今度言ったら撃つぞ。」と返しているナディをやさしく見つめるペドロ。
おおおおぉ?ここにきて、ついに(エリスよりも)ナディに興味を持つ男性キャラが登場か?
カウンターで休憩している場面。ペドロには死んだ奥さんがいたようです。
再婚しないの?というナディの問いに、一瞬、動揺しつつ、そうだな、と返すペドロ。
しかし、
「エリス、結婚してあげたら?ホアキンも気に入ってるみたいだし。」
「ナディがいいならいいよ?」
いやいやいやいやいやいやいやいやいやいや、
ナディを狙ってるペドロさんならずとも「待った」をかけますよ?
「こちら側」の百合原理主義の方とか、エリス萌えの方とか、イロイロと。
「何よ?イヤなの?」
「いや、そうじゃなくて・・・。そういうことなら、オレは・・・。」
次の言葉をためらうペドロを無心で見つめるナディ。
ナディのラヴ電波受信感度は低いですな。うむ。
「ナディ。実は、その・・・」
とペドロが言いかけたとき、そこへ戸を開け入って来るサングラスをかけ醜く太った二人組。
あからさまにアヤシイ二人ですが、いらっしゃいと声をかけるナディ。
ナディたちに近づこうとする二人組にペドロが割って入ります。
「どこへ行くんだ?旅行か?」
ペドロが保安官であることに気付いた二人組は帰っていきます。
再び現れたら連絡しろというペドロ。
ホアキンも両手をひろげてエリスを守る姿勢を見せてますね。いっちょまえに。
夜。
帰ってきた夫妻と食事を共にするナディとエリス。
次の日曜は一緒に遊びに行こうという夫妻。遠慮するナディに夫妻は、
「みんなで行きたいんだよ、ナディ」
と、声をかけます。
ナディ、エリスの二人と共に楽しみたい、という夫妻の言葉からは、二人が夫妻にとって、もはや他人ではないという響きが感じられます。
承諾するナディ。
しかしその瞳はどこか生気を欠いているようにも見えます。
ベッドに寝転がるナディ。
「みんなで遊園地か・・・。明日の心配はなくて、時間がゆったり流れてて、これが幸せって奴だねぇ・・・。」
それはどこか自分に言い聞かせている言葉のようにも思えます。
エリスがシャワーから帰ってきたとき、拳銃の手入れをしているナディ。
「錆びちゃうかなぁ、と思って。」
「もう出さないって言ったのに。」
エリスに見つかったことでバツの悪そうなナディ。
一方、ウォータークーラーから注いだ水がぬるかったため、コップの中に氷を「力」で作り出すエリス。
それを咎めるナディですが、どうやら「賞金稼ぎ」と「魔女」という素性を隠し「銃」も「力」も使わないことにしているようです。
「バレたらここに住めなくなっちゃうんだから。」
「そうかな?」
賞金稼ぎだったり、不思議な力を使ったりするのは、他人から見れば物騒で、気味が悪いと受け取られかねないというナディ。
「せっかく手に入れた理想の暮らしなんだからさ。」
翌日。
店の窓を拭いているナディ。
窓ガラスに映るボンヤリとした表情の自分にハッとし、その視線は自然に自分の体へと落ちてゆきます。
そこには、かつてナディのトレードマークだったポンチョはありません。
大丈夫かと声をかけるエリス。
エリスはナディの変調に気付いているようですね。
そんな二人の前で停止するアミーゴタコスの車。
降りてきたのは、エル・カザドのセクシー担当、ブルーアイズさん。
入社数ヶ月で支部長までのし上がったというブルーアイズ。さすがですね。
というかアミタコは魔女の末裔の資本で経営されて居るんじゃないかという疑いが私の中では晴れませんデスよ。
リカルドたちに会ったというブルーアイズが聞かせた一本のテープ。
そこには懸命にタコスソングを歌うリリオの声が。
リカルドはリリオにブーメランを教えながら今も旅を続けている、とブルーアイズは言います。
「旅」に反応するナディとそんなナディに気付くエリス。
「・・・ナディ、また、旅に出たい?」
根っこのない旅暮らしなんてもうたくさん、と言うナディ。
そして、ここでの暮らしが好きでしょ?とエリスに逆に問いかけます。
「私もここが大好き。」
じゃあ変なことは言わないの、とナディ。
この会話の直後に現れた例のメガネ男の姿に一瞬肝が冷えましたが、そっくりさんの別人(中の人は同じ)で、しかもブルーアイズの部下。
チラシ配りさせていたようですから、さぞブルーアイズにコキ使われているのでしょう。
大変だなぁ、メガネくん。
ブルーアイズはそんな彼を実直でイイ子と評価。
「実はアンタ、ローゼンバーグが好きだったんじゃない?」
というナディのツッコミに、
「かもね。」
と、大人の余裕で返すブルーアイズ。
もちろん冗談なのですが、翻弄されるナディの変な顔が楽しい。
そこへアミタコの車に帰したはずのメガネくんが戻ってきます。
例の二人組の片方に銃を突きつけられて。
銃で脅されながら入った店内ではもう片方の男によってロベルトとニーナにも銃が向けられています。
ナディとエリスのことを知ってそうな二人組。
でも、アンタたち誰さ??
「オカマの人だ。」
エリス、すごいよ。原型とどめてないのに。
「狙う女」で生死不明で退場したはずのオカマ二人組。
生きてたんだなー。大けがだったらしいけど。
エリスに懸かった賞金でダイエットを夢見る二人組ですが、エリスさんから悲しいお知らせが。
「私はもう賞金首じゃないよ。」
愕然としている二人組。
でも、こんなに太ってタダでは引き下がれない、と逆ギレぎみです。
店内の様子を窺っているホアキンに気付いたエリスは、ペドロに伝えるように仕草でメッセージを送ってますね。
一般市民を撃っちゃうとただの人殺しだよ、というナディにマシンガンで応えるオカマ。
こんな時でもブルーアイズは肝が据わってます。
「感情に流されると、後で後悔することになるわよ。」
と、一歩前に出て説得を試みるのですが・・・。
「すっこんでてよ、オバさん。」
相手が黒ネヴィ様なら、すかさず「ぎゅー」が飛んできますよ。
というか、ブルーアイズの口元が歪み、目が据わってます。あらら。
ブルーアイズ様もその手の言葉に敏感なお年頃なのですね。
オカマに近づきながら、そっとナディに合図を送るブルーアイズ。
ナディがわざとらしいクシャミで注意をそらしたタイミングで反撃が始まります。
割とあっけなくナディとブルーアイズに制圧されるオカマ二人組。
取り押さえようとするナディをはねのけたりしますが、奪った銃を構えたエリスとホアキンの知らせで駆けつけたペドロに威嚇され、手を挙げるオカマ。
しかし、ペドロがナディに駆け寄った一瞬の隙をついてエリスの銃を奪い返します。
ペドロに銃を捨てろと命じ、再び優位に立つオカマ。
エリスに向けられた銃口が火を噴きそうなその一瞬、ホアキンが間に割り込んできます。
「だめっ!」
「力」を使うエリス。
そしてとっさにペドロの捨てた銃を拾い、もう一人のオカマの銃を弾き飛ばすナディ。
「遺言があったら、どうぞ。」
ナディにとっては久しぶりに実戦で使用した決め台詞だったことでしょう。
ナディたちの活躍により、オカマたちは警察に引き渡されたようです。

夕刻。
かつてのスタイルで旅支度中のナディとエリス。
二人はしばらくの間過ごしたこの町を出て行くつもりのようです。
賞金稼ぎ、そして、魔女であることを夫妻に告げる二人。
「・・・とにかく、今日までありがとう。なんてお礼を言ったらいいか・・・。」
別れの言葉を探すナディに夫妻は言います。
行かないで欲しい、と。
夫妻は理解しているのですね。素性を隠してきたナディたちの思い。
素性を知ってなお、これまでと変わらぬ、いや、むしろいっそう強い思いで、この場所にいて欲しいと願う夫妻。
その時、ナディの目から涙が溢れ、落ちます。
「ありがとう。」
愛情を示してくれている相手に対し自分自身を偽っていることの後ろめたさや、居心地の悪さ、そして本当の自分をさらけ出したとき、その関係が壊れてしまわないかという不安。
それら諸々の感情が、夫妻の温かい心に触れ、溶け出し、一気に流れ出た、そんなナディの涙です。
「待つ女」の頃には、たとえ望んでも叶わぬ願いだった家族のぬくもり。
ナディは旅路の果てに、ついに「家族」と呼ぶに値する絆を見つけたのですね。
夫妻の申し出を聞き、良かったね、とエリスにいうナディ。
一方、エリスは夫妻に感謝を述べつつ、再び旅に出るというのですね。
「目が輝いているナディが、好き。」
だから、と。
ドアの外で聞いていたペドロ、ホアキン親子とブルーアイズ。
ペドロはホアキンを抱きしめながら、
「・・・そうか、そうだな・・・」
と呟きます。
ペドロもまた、ナディを送り出す覚悟を決めたのでしょう。
旅に出よう、というエリス。
よし、行こう、というナディ。
新しい旅立ちの朝。
少し心配そうに、しかし、優しい表情で二人を見送る夫妻。
笑顔で送り出すペドロ。涙ぐみながら手を振っているホアキン
親しい人々に見送られ、ナディとエリスは旅に出発します。
二人はもう根無し草ではありません。
帰る場所があり、そして、そこで二人を待っている、あたたかな人々がいます。
遠く離れていたとしても、その絆は、きっと二人を支えることでしょう。
ブーメランを自力でキャッチ出来るようになったリリオとそれを見守るリカルド。
微笑みかけてくるメガネくんに何とも言えない表情のブルーアイズ。
それぞれの未来をなんとなく予感させるカットですよね。
どこに行こうか、と問うナディに、リリオに会いに行こう、というエリス。
ナディのその瞳の輝きを見て、どことなく満足げなエリスです。
そして、二人で声を合わせての「いえっさ」。
さわやかで、希望を感じさせるエンディングで良かったです。はい。

最後のスペシャルゲストはMADLAXチームがまとめて投入された感じですね。
カロッスァ、ヴァネッサ、チャーリー、レティシア
懐かしい。また見返してみたいです。暇があれば。

最後に全体を通しての感想を少し書こうと思ったのですが、ただでさえここまでダラダラと書き連ねているのに、さらにダラダラ続けるのもいかがなものか、と思うので、別記事で、またそのうち気が向けば書くかもしれません。