ああ、パル彦。
冒頭の腰を妖しく動かしているパル彦の姿に涙。
なんという逆再生の残酷。
始業式の朝、真琴と共に登校する桃花。
「学校って何するの?」
とか、桃花は言っています。
真琴も転入してきたばかり?
桃花と真琴の登校風景のあとのシーンで、鬼梗さまが言う
「六条章子が呼び寄せた娘」
ってのは真琴の事のようです。
桃香の石剣、真琴の龍皇に反応する清春の右目に埋め込まれた仮面のカケラ。
清春理事長は始業式の演壇で苦しんでますね。
美鈴先生(理恵子さん)も久しぶりに登場。
白川さんはもうこの頃から桃香を狙ってたのか。
でも出会っていきなり
「触りたいですか?」
とか言ってる白川明日菜嬢に
オレの桃香を誘惑すんな!ヽ(`Д´)ノ
とか思って見てるオイラはもうダメです。
白川さんの行く末を考えると、その完璧なかませ犬っぷりに涙も。
キングギドラ化した胡蝶三姉妹に停止させられる章子カー。
「あやしい術」って章子使ってたっけ?
「中身は普通のっ!!・・・・王子様を夢見る乙女よ。」
の下りで何故だかカメラ目線の章子。
胡蝶三姉妹もこっち見んな。
と、まあ一通りのキャラ紹介が終わった後のシーンで、
「んばぁ!ぷりぷりぷりぷりだめだー!」
「この先でこの謎のキャラ達をどう動かせばいいのか、ちっともわからないのー。」
と、由美子が壊れているわけですが。
・・・いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや、
アンタが書かないと上津未原の物語が始まらないんじゃないの?!
「・・・由美子はお仕事飽きちゃったぁ!プンプンプン!由美子はとってもプンプンプン!」
Orz
伊藤美紀さん、自重。
仕事も〆切もない高校生に戻りたい、という由美子のワガママ願望が具現化したのが、あの「ニコニコ☆少女」だったのか。
Oh! Yeah!なコスプレ花いちもんめはスルーしますよ。(←スルーしてない。)
AS姐さまの予告していたゲストキャラは「顔のない月」の東衣緒だった模様。
顔のない月を知らない私は、むしろ声を聴いて、
・・・こ、この声は礁国少年兵・・・?
・・・能登キタ━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)人(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━━ !!
と盛り上がっていました。
章子の乳揺れ花いちもんめはスルーしますよ。(←全然スルーしてない。)
「ニコニコ☆少女」からリレーされたトーストを頬張った桃花が、桃香に駆け寄るシーン。
桃香に気付いた桃花がパンを飲み下すシチュエーションは「桜」の回のエンディングと同じ。なぜだか懐かしい気分が。
ところで嫉妬で目が光ってる女生徒の中にドミヌーラが混じってたような気が一瞬だけした。一瞬だけ。
乱れ咲く桜の花を声もなく見つめる桃香
生まれたばかりの真っ白な心は、その世界の美しさに引き込まれている様子。
この先、どのような運命が待ち受けていたとしても、桜の花咲く季節はまた巡ってきます。
次の桜の季節。それは桃花のいない春。
次回は「〆(エックス)」。
エックスとルビが振ってあるけど、どう見ても〆ですよね?
今回、仕事を嫌がる由美子に寧々が、〆切が過ぎてる、とか言ってましたよね?
なんだか身も蓋もないオチが待っていそうなイヤな予感が・・・。
そして、なぜに今回の予告のエーックスはちょっぴりプロジェクトX風味なのよ?
ワケわかんないよっヽ(`Д´)ノ

逝く男

見終わった後、放心状態でしばらく感想を書く気がおきなかった。
予想していた事だったはずなのに、予想以上に悲しみが深かった。
さよなら、エルエー。
君は誰にも愛されずに逝った。
バイバイ、エルエー。
でも、ぼくらは君のことが好きだったよ。
(・・・キモいな、オレ。・゚・(ノД`)・゚・)

ローゼンバーグのネタばらしから始まった今回。
ローゼンバーグの取り出した拳銃は、例の装飾のある拳銃です。
早撃ちでダグに負けてるナディ・・・がんばれ。
気を失うエリスを尻目に、ローゼンバーグは話を続けます。
ナディたちの旅がローゼンバーグに仕組まれていたことなども、予想はしていたとはいえ、直接にローゼンバーグの口から語られるとなると、なかなかに残酷な現実ではあります。
エルエーは最初からローゼンバーグの操る単なる噛ませ犬でしかなく、ナディとエリスが旅の間、育んできた絆も、エリスのもつ魔女の力を覚醒させるための道具、そしてナディはそのための生贄に過ぎないのだ、とぬかすワケですから。
いい感じにローゼンバーグの悪玉レベルが上昇したところでリカルド登場。
「そこまでだ。」
リカルドの雇い主であったことを饒舌に話し始めるローゼンバーグ。
それを遮り、その契約がすでに破棄されたものであることを思い出させるリカルド。
「これは仕事じゃない。オレはこいつらを守ると決めた。」
リカルドの決断。もしかしたら、それはかなり以前の段階で、すでに行われていたのかもしれません。
「地獄で飲もうぜ、アミーゴ!」
やっちゃえ、リカルド!!
しかし、ナディはリカルドを制止します。
ローゼンバーグはハインツ・シュナイダー博士殺しの真実を知る唯一の人物。
ナディたちが手を出せないこともローゼンバーグには織り込み済みのようです。

エリスの髪の毛で作った人形に語りかけるエルエー。
彼の壊れてしまった心はお人形さん遊びでかろうじて保たれているようです。
そこへシャボン玉吹きながら現れたローゼンバーグ。
服も脱いだほうが素敵ですよ、ローゼンバーグ。
と、ツッコミ入れたかったよ!
シリアスなシーンのハズなのに、吹き出しそうになったじゃねーか、バカぁ!
殺意剥き出しのエルエーですが、ローゼンバーグの目力でコントロールされてしまいます。
抵抗できないエルエー。
「苦しむことはありません。エリスを想うその心も、所詮は私が与えたものに過ぎないのですから。」
「・・嘘だ・・僕は・・エリスを・・・愛している・・・。」
エルエーを抱き寄せるローゼンバーグ。
「その愛も、私が与えました。」
「・・う・・そ・・だ・・・。」
エルエーの頬を伝う涙。
エルエーは自身のよりどころであったエリスへの愛さえも、ローゼンバーグが与えた偽物の心だと知らされてしまいます。
「さあ、心を捨てなさい。」
エルエーの中に残る「心」。
それを、微かに残る蝋燭の炎のように吹き消したローゼンバーグの表情は実に邪悪です。

Bレディ達(かわいいよ、1号2号)によってもたらされた情報から、ローゼンバーグの目的は、魔女とマクスウェルの悪魔についての国家プロジェクトから外され失意のうちに自殺した父親の復讐ではないかというブルーアイズ。
今回初めて明かされたこの情報。
旧体制下のベルリンから亡命したローゼンバーグの父親の世代から、魔女を巡るプロジェクトが存在していた、ってのは何かの伏線だったりするのかな?
あの拳銃は父親のもの?

夕日の中、ローゼンバーグの晩餐の相手は、心をなくし、すっかりワイルドな風体に変わった操り人形エルエー。
ローゼンバーグはリカルドを消すように命じます。
Bレディ情報で、完全な操り人形となったエルエーが、リカルドに迫っていることを知らされると、リカルドは一人で決着をつけに行こうとします。
死をも覚悟し、リリオを頼む、というリカルドに対し、一人で行かせられない、というナディ。
「お前に、もしものことがあったら、誰がエリスを守るんだ?」
「でも、アンタ一人を危険な目にあわすなんて・・・」
ナディに向かって手を差し出すリカルド。
「金を出せ。」
「オレに仕事を依頼しろ。お前らのためじゃない。報酬のためだ。」
リカルドの優しさと覚悟を理解するナディ。
「がめついなぁ。・・・あ、イター、コレしか持ってない。」
と、言いながら放ってよこすコイン一枚。
「帰ってくるのよ。リリオが待ってるんだから。」
「ああ。」

そして、ついにリカルドとエルエーの再戦が始まります。
今回のエルエーはワイヤーだけではなく銃に手榴弾と装備十分。
一方、リカルドの姿が見えないことに気付いたリリオは、ナディたちのもとを抜け出してしまいます。そして銃声の方向へ走り出します。
エルエーの弾切れを待ち、狙い撃つリカルド。
それを変態アクションでかわすエルエー。
リカルドに蹴りを入れたその時、頭をかすめた銃弾のカケラに引きちぎられたバンダナから、エリスの髪の毛で作った人形がこぼれ落ちます。
エルエーに残されたエリスとのわずかな絆。
風に解けて消えていくその人形が、エルエーの心に記憶の断片を浮かび上がらせます。
「こ・・れ・・は・・・僕の・・僕の・・・大切な・・・もの」
「消えて・・いく・・・」
「・・違う・・これじゃない・・・本当に・・・大切なのは・・・」
あれは人工的な養育機の中で育てられている幼いエルエーとエリスでしょうか?
「心」を取り戻すエルエー。
「・・・エリスのところに行かなくちゃ・・・」
フラフラと歩いていくエルエーに、リカルドは狙いを定め・・・、
しかし、空へ向けて銃を撃ちます。
「エリスのもとには行かせない。」
リカルドは気付いたのですね。エルエーが「心」を取り戻したことに。
「・・・僕の邪魔をする奴は・・・殺す。」
「それでいい。」というリカルド。
エリスに執着する殺人鬼。
哀しいけれども、それがエルエーが辿り着くことのできた彼自身のオリジナルな「心」の有り様なのですね。
リカルドは、そんな「心」を取り戻したエルエーを、せめて、一対一、そしてワンチャンスのガチンコ勝負で送ってやりたい、と考えたのでしょうか。
拳銃に一発だけ銃弾をこめるリカルド。
息を吸い、ナディにもらったコインを投げあげます。
「そこかぁっ!!」
エルエーがワイヤーを振り下ろすその瞬間、背後を突くリカルド。
「地獄で飲もうぜ!アミーゴ!」
銃声。
そして、撃ち抜かれ、夜空を仰ぎ見るエルエーを、幼い日のエリスが覗き込みます。
「・・・ああ・・エリス・・・迎えに来てくれたんだね・・・」
エリスを求め宙をさまようエルエーの手を握りしめるエリスの幻。
「・・やっとわかったんだ・・・僕が君を好きになった・・ワケが・・・」
「・・・僕に心を与えたのは・・あの男じゃない・・・君だよ・・・」
「・・・あぁ・・・エリ・・・エリ・・ス・・・」
「・・君が・・僕の・・・すべてだ・・・」
エリスの幻、それはリカルドを追って現場にきたリリオです。
「・・あぁ・・眠くなってきた・・・エリス・・・エリス・・・」
「・・・僕に笑顔を見せて・・・君の微笑む顔が・・・見たい・・・」
哀しい彼の最期の瞬間に、リリオは微笑むことで、せめてもの慰めと安らぎを与えるのですね。
「・・・素敵だよ・・・僕の・・エ・・リ・・・」
そして逝くエルエーの魂。
誰にも愛されなかったエルエー。
幾多の人々を虫けらのごとく殺してきた殺人鬼である彼に、幸せな結末などあろうはずもなく。
それでも、エリスを愛するという自分自身の「心」が、本物であったことを知って逝けた事が、彼のただ一つの救いでしょうか。

ブルーアイズの報告を聞き、リリオとリカルドの無事、そしてエルエーの死を知るナディとエリス。
ナディはこの旅の決着を、エリスと二人だけでつけることを決断したようです。

次回は、「聖なる女」。
エルエー死亡の余韻から抜けきれず、鼻汁をすすり、涙目で次回予告を見直していたとき、アヤシイ仮面と衣装を身につけているのがネクタイしめたローゼンバーグである事に気付き、泣きながら爆笑の発作に突然襲われるというこの上ない苦悶の時を経験してしまった。
どうしてくれよう、ローゼンバーグ。
ナディが涙目で銃を撃っていたり、エリスが銃で撃ち抜かれていそうだったり、シリアス展開の最終局面ぽいというのに。

かわいい嫁さんで良かった・・・。
な?パル彦?

・・・おめでとう・・・
・・・おめでとう・・・
・・・おめでとう・・・

・・・塩味コーヒーにだけは慣れておけ。相手に失礼だからな。

・゚・(ノД`)・゚・
誰もが、あのヘタレパル彦の(やっと来た)主人公回であると疑わなかった今回。
でも、一番活躍したのは、鬼梗さまですから!(切腹)←古い

パル彦マニア的「良かった探し」をあえてすると、パル彦のそれなりにカッコイイ表情の伺える絵や構図が比較的多かったのは、そのスジの方々にはよろしかったのではないでしょうか。(どのスジだ。)
ストーリーとの絡みの点では、

あ、ドッコイ

な、感じで空回ってます。いつもより余計に空回っております。

編入してきたばかりの桃花を、桃香とともに桃歌台高校ぷちツアーに連れ出す真琴。
「過去たちの幻想暗夜行路」(?)に巻き込まれぬように、しっかり上津未原のルールを知らなければならない、とカンペを読みながら力説する真琴です。
桃香は嫌がっていますが、真琴が夜なべして作ったウサギさんツアーバッジを強制装着し、校内巡りに繰り出すことになります。
図書館で嘘くさい上津未原の歴史を真琴から聞かされたりした後、鬼梗を見かけた桃花たち。
「生ける伝説」(真琴談)
であるところの鬼梗の取り巻きは、なにやら勝手に騒いでいる様子。
胡蝶三姉妹も鬼梗さまの立ち振る舞いで、天気予報できるとか適当なことを言っています。
ついでに作画もちょっぴり適当風味。(コラ!)
そして降り始める天気雨。
天気雨はキツネの嫁入りの先触れとも言われます。
キツネの嫁入り・・・。嫁っ?!」
そして回り始めるパル彦の妄想ヘリカルモートリス。
ノンストップパル彦、GO!GO!
キミが桃花をどんな目で見ているのかよくわかった。
パル彦のドッコイを華麗にスルーした桃花たちは「過去たちの幻想暗夜行路」に遭遇してしまいます。
そのキツネの面の下からのぞくのは常世にすまう者どもの素顔。
魅入られた桃花はフラフラとその列に引きつけられていってしまいます。
鬼梗さまに助けを求める桃香たち。
鬼梗さまも上津未原にうごめく亡者どもの気配を感じ取っていたようです。
鬼梗さまはホバー移動というか、ローラーダッシュというか、あの移動方法がデフォルトなのでしょうか?
はっきり足許が描写されないぶん気になります。
「あちら側」への扉を開くため、扇片手にノリノリで踊りまくる鬼梗さま。
パル彦、全然画面にでてこないよ、パル彦。ここからが今回の山場なのに。
魅入られたまま、亡者どもの嫁入りにつきあっている桃花。
しかし真琴のウサギさんツアーバッジに微かに反応します。
それは真琴が作ってくれた思い出。桃花にとって「こちら側」と桃花をつなぐ唯一の品。
そして鬼の面をつけた鬼梗さま登場。常世の者どもを蹴散らします。
アクションからギャグまでこなす鬼梗さまは素敵な方です。本当に。
桃花を抱き、戻ってくる鬼梗さま。
「この者には歴史がない。」
と、鬼梗さまは言います。だから幻の歴史に心を奪われた、と。
「これから歴史を作っていけばよい。まだ御霊としては稚児も同然。気をつけろ。」
とも。
さて、
パル彦の嫁の件ですが・・・。
ヘタレと呼ばれながらも「モモカ」の許嫁という立場が物語の要として評価されてきた面の否めないパル彦。
でもその誤解が解けた(?)今、パル彦株大暴落なのではないかと心配です。
うん、でも可愛い嫁さんじゃないか。
パル彦もまんざらではなさそうだし。
桃香もこっそり試していた塩味コーヒー。
気になってググってみたらエチオピア流のコーヒーの楽しみ方だったのですね。
なるほど。
桃花はそれを知っていたというより、味覚におおらかなだけかもしれませんが。
ところで、上津未原に住む前にどこに住んでいたか思い出せない桃花。
桃花が由美子によって生み出された存在だったとして、産み出される事になった理由は明かされるのでしょうか?
その理由のあるなしにかかわらず、この世に生を受けてしまったものは、逃れようのない時の流れの中に放り込まれます。
肉体は滅びることのわかっている時限装置。しかし、鬼梗さまが香のかぐわしさに感嘆したように、心と肉体が伴っているからこそ知ることのできる世界があります。
そして、流れゆく時は、同時に、何者にも代え難い思い出を残して去ります。
桃花と桃香の過ごした一年の時間。
それを遡る旅もあとわずか。
なんだかんだと誉めたり貶したりしながら併走してきた私たちにもゴールが見えてきた・・・のかな?。
次回は「綾」。
あのシルエットは章子なのか?

惑う女

前回、黒エリスに虫けらのように弾き飛ばされたエルエー。
そのままお星様になってしまったか、とも思われましたがどっこい生きてます。
「・・・助けて、エリス・・・」
そして、エリスの髪の毛で作った、あの小さな人形を握りしめ、
「・・僕はだまされていたんだ。やっと気付いたよ・・・」
と、つぶやくエルエー。
彼を操り、その心を弄ぶローゼンバーグへの怒りをエルエーは露わにします。
「・・・僕は、僕で居続けなくちゃ・・・何があっても、僕は・・・」
腕輪の秘密に気付き、破壊するエルエー。
「・・・出て行け。僕の中から、出て行け、ローゼンバーグ・・・」
呪詛のような言葉。可哀想なエルエーです。
腕輪は機能を停止したようですが、彼の心を縛るものは腕輪だけではなかったことがのちにわかります。

傷つき意識を失ったままベッドに横たわるナディ。
自分がやったのかと問うエリスに、ブルーアイズは包み隠さず、そうだと答えます。
その意図を図りかねたリカルドに対し、ブルーアイズは、エリスが「力」を持つ人工の魔女であることを打ち明けます。
ベッド脇でナディを見守るエリス。
コップを差し出すリリオの優しい気遣いにエリスが涙を浮かべたとき、インカローズの共鳴が始まります。
意識を回復し、水を所望するナディ。
ナディの元気な姿に安心したエリスは倒れ込みます。
ブルーアイズが共鳴を始めたインカローズを見ていたときの表情から考えて、彼女はエリスが「力」を使うであろう事を予見した上で、真実をそのまま伝えたのでしょうね。
リカルドとナディにすべてを打ち明けるブルーアイズ。
(このシーン「羽ばたく女」で流れていたBGMが使われてますね。もはや「ブルーアイズのテーマ」と呼びたい気分。)
しかし、それをエリスは聞いてしまいます。
人工の魔女であるエリスのもつ力。
それが、世界に、そしてナディに災いをもたらすことを自覚したエリスは迷いの中に沈みます。
エリスのことを心配するナディに対し、ブルーアイズはエリスが下すであろう結論を尊重したいと言います。
本物の魔女の力をこの目で確かめたいと願うブルーアイズにとって、エリスがウィニャイマルカへ到達することは、その願いが叶う千載一遇のチャンスのはずです。
しかし、「羽ばたく女」の回で、自分自身の想いに従って生きることを選んだブルーアイズは、エリスにもそうあって欲しいと考えたのでしょう。
エリスの「飛んで!」という呼び声に促され、決断したブルーアイズにとっては一種の恩返し、彼女なりの優しさではあるのです。
ベンチに座り、物思いにふけるエリスに、前回、ウィニャイマルカへの道を示した老人が話しかけます。
老人はエリスに対し、魔女の力はコントロールすることで、良いことにも使えるのだ、と諭します。
しかし、前回、巨大インカローズとの共鳴に飲み込まれ、それをコントロールできないままナディを傷つけてしまったエリスには、その言葉は届きません。
力なんていらない、というエリス。
立ち去ろうとするエリスの後ろ姿に、何かを感じ取ったナディはエリスを呼び止めます。
振り返らないエリス。
しかし、ナディにはエリスが泣いていることがわかります。
「バイバイ、ナディ。」
人間離れした跳躍力でエリスはその場を逃げ出すのです。
追おうとするナディと、それを呼び止めるブルーアイズ。
エリスは自分自身で答えを出そうとしている、お節介はよしなさい、というブルーアイズに対し、ナディは、それは違う、と反発します。
「あんたは自由は素敵なことだと思ってる。でも、すぐにわかる。自由のほうが苦しいって、つらいって。」
喜怒哀楽を分かち合う誰かが欲しかった。
間違ったことをしているときに、間違っていると言ってくれる誰かが欲しかった。
支えてくれる誰かに、側にいて欲しかった。
堰を切るナディの想い。
ナディが自身の内面を誰かに詳しく語ったのは、エル・カザドの中では、これが初めてなのではないでしょうか?
自由気ままに、お気楽に、これまで生きてきたかのように見えるナディ。
しかし、親しい人たちを幼くして失い、それ以来、ひとりぼっちで生きてきたナディにとって、その自由とは、孤独と背中合わせの日々のことだったのですね。
第2話「待つ女」でフリーダ達との別れの後、涙を隠せなかったナディ。
ナディが賞金稼ぎをしていることに、お節介にも、くちばしを挟んできた女主人フリーダに対し、ナディは「三回殺す」とか物騒なことを言ってはいましたが、それも含め、温かく支え合う人々の姿は、あの時のナディにとって、それは望んでも手の届かぬぬくもりだったのでしょう。
一方で、第3話「降られた女」で、孤独の内に死んだであろう一軒家の主人に想いを馳せるナディは、誰か親しい人たちの帰りを待ちわびながら死ぬよりは、はじめから孤独であったほうが幸せだ、と考えていたようです。
心のどこかで支え合う存在を求めながらも、幼いときに負った深い心の傷が癒えないナディは、再び親しい人たちを失う痛みよりは孤独であることを選んでいた。
それがエリスに出会って間もない頃のナディだったのでしょう。
でも、今のナディはそれが間違いだったことを知っています。
それをナディに教えたのは他ならぬエリス自身なのです。
第6話「恋する男」で初恋のミゲルの死に遭遇したナディは、はじめ一人でその悲しみに耐えていました。それがナディのやり方だったのです。しかし、エリスは共に悲しむことでナディとその悲しみを分かちあいます。
エリスがナディと出会うことで変化したように、ナディもまたエリスと出会うことで変化してきたのです。
そして、今、ナディを巻き込まないために一人になろうとしているエリス。
一人で運命を背負い込もうとしているエリスに、ナディは伝えなければならないことがあるのです。
一方、ナディを見送るブルーアイズに話しかけるリカルド。
孤独の痛みを知るナディだったからこそ、エリスがその心を開いた。
そのことをリカルドはブルーアイズに理解して欲しかったのですね。

ナディと別れたエリスは、エルエーを探し出します。
一緒に行こう、話しかけるエリス。
行き先はウィニャイマルカではないどこか遠いところ。
手をさしのべるエリスと、それを受け入れるエルエー。
ローゼンバーグのコントロールから逃れたいエルエーと、ナディを巻き込みたくないという思いから一人になったエリス。
経緯はともかく、エルエーにとっては夢にまでみた状況でしょう。
エリスにとっての心の距離そのままに、ずいぶんと離れて座っている二人。
しかし、エリスに買ってもらったタコスを、おいしそうに食べるエルエーは年相応の(ちょっとキモイけど)純情な少年のようにも見えます。
この瞬間が、エルエーにとっての人生最良の時になってしまいそうでアレです。
彼の魂が安らぎを見いだした後に逝くことを願うばかり。(死亡フラグであることが前提かよ。)

エリスの目撃情報の場所へ移動中の車内。
ナディはブルーアイズに言い過ぎたことを謝ります。
組織の中で生きてきたブルーアイズの抱えていた弱さ。
自由気ままに、しかし、一人で生きてきたナディが抱えていた弱さ。
二人はお互いを理解することで和解するのですね。
これはこれで案外良いコンビです。

タコスを食べ終えたら出発しようというエリス。
しかし、その時、エルエーの心を砕く電話の呼び出し音が鳴り響きます。
おそらくは腕輪の機能喪失後も、ローゼンバーグがエルエーをコントロールするために与えた暗示。
それは電話の呼び出し音をトリガーとして働くものであったようです。
「僕は、僕だっ!僕なんだっ!」
心を蝕むローゼンバーグの影と必死に戦うエルエー。そして・・・
「・・・あぁ、いなくなった・・・出て行った・・・良かった・・・」
そういって立ち上がり、エリスに近づくエルエー。
果たして勝利したのはどちらのエルエーだったのでしょうか?
身の危険を感じたエリスはエルエーから逃げ出します。
一人佇むエリス。
そこに現れるナディ。
再び逃げ出そうとするエリスの腕をつかみます。
「離さないよ。何があっても。」
もうナディを傷つけたくない、というエリスをナディは引き寄せ、肩を後ろから抱くと、言い聞かせるように耳もとで囁きます。
「バカ。今度そんなこと言ったら、絶対、許さないんだから。」
「こんなにちっちゃいくせに、一人でおっきいこと考えて。私の身にもなれ。」
「ウィニャイマルカへ行こう。そのために今まで旅してきたんじゃない。」
「私は決めてるんだからね。あんたを全力で守るって。」
「だから、心配いらない。魔女の力なんてどうでもいい。」
「ウィニャイマルカへ行けば、探してた答、わかるかもしれないんだからさ。」
「大丈夫。何があっても、私が側にいる。あんただけにつらい思いはさせない。」
そしてエリスの目に涙が。
気持ちが届いたことを確信し、OK、相棒?と問うナディ。
そしてエリスの世界で一番甘い「いえっさ」が炸裂。
砂吐いた。甘々すぎ。なんでしょうか、この愛の告白。
毎度、ふたりの愛の語らいを見せつけられているブルーアイズはモヤモヤしてきたりはしないのか、とか余計な心配をしてしまうほど。
煩悩のヘリカルモートリスが止まりません。
ああ、イカン。邪念で画面が霞む。
かつて、エルエーが見下していた、支え合わなければ生きていけない人間の弱さ。
しかし、ひとりぼっちの(エルエーの)心は脆く、支え合う(エリスの)心は鋼のように強い。
ブルーアイズさんの言うとおりです。(と、邪念を払う。)

今週のダグは遺跡の入り口にて白スーツで登場。出たな、変態マスター。
ナディ「アンタ、誰?」
いっそエリスも思い出さなければ、ローゼンバーグに精神的ダメージを与えられたかもしれませんのに。

さてさて、盛りだくさんな内容だった今回ですが、まだまだ謎を小出しにしてきてます。
エリスに話しかけていた老人が、話し終えた後、力が抜けたようになるのを見咎めたブルーアイズは、あやしげな人影に気付きます。
魔女風のローブを身にまとい、カーテンのひらめきに風のように消えたあの女性。
魔女会議側がエリスへの関与をあきらめたかのようにブルーアイズは言っていましたが、まだ、知らないところで何かが行われているのかもしれません。
それにしてもあの女性、前回、老人の持っていたロケットの写真の女性、ザイダに似ていたような気がしないでもないですね。
彼女が口を開くとき、すべての謎が明かされることになったりしませんか?
しないですか?そーですか。
そういえば、リカルドとリリオの目的も未だ明かされぬまま。
ひっぱりますな。

次回は「逝く男」。
エルエーとリカルドの再戦という噂が頭にあったので、予告の拳銃を持つメイプルリーフの頃のエリスにドキリとしました。
何かに、なにがしかの決着がつく予感。

実は今回の視聴の前に、アズラッタ様のブログを読んでしまったため、今回が山本麻里安脚本であることを事前に知ってしまい、
AS姐さん、自重してくれ〜〜。」
と、悶えたのも今は良い思い出。(はえーな、おい。)
事前情報が無ければ、すべてを見終えて、脚本のクレジットがでるまで山本脚本であることに気付かなかったと思います。たぶん。
つまり、それだけ桃華月憚の脚本として、ある意味、違和感のない手慣れた脚本だった、ということではないかと思います。
とは言っても、そこは桃華月憚
これまでとは異質なエピソードをさらりとやってしまっています。
アイドルの追っかけ(が、こんなことしてるかは知りませんが)のごとく、桃香を盗撮する胡蝶三姉妹。
ところが、そこへ桃花が割り込んできます。
「桃花はイラナイ子」と判断した胡蝶三姉妹の指示で、二宮会による桃花に対するねちねちと陰湿なイジメが始まります。
髪の毛をこっそり切り取られ、下駄箱の上履きを隠されてしまう桃花。
おそらくは不穏な空気を感じ取っているであろう鬼梗様によって、上履きは桃花のもとへと返りますが、生徒会長であり、皆の尊敬を集めているであろう鬼梗の手を、新参の編入生である桃花が煩わせた、と見た周囲の生徒達によって、むしろイジメは加速することになります。
教室の位置を周囲の生徒に尋ねても答えてもらえない桃花。
おそらくは二宮会が流した桃花に関するウワサが広まり、生徒達は桃花に距離をとり始めています。
一方、桃香は桃花の目の前で、白川さんに二宮会サロンでのお茶に誘われ、半ば強引に連れ去られてしまいます。
このシーン、能登回のシーンとの良い対比になっているのですが、白川さんと桃香の関係そっちのけで、今回の山本桃花は手作りケーキのほうに反応しているのですね。
マヌケなびよ〜ん、ぼよ〜んという効果音と相まって、桃花の天然食欲魔人ぶりが強調されています。
一応、恋愛感情が生まれる前、ということを表現する能登回への伏線のような気がするわけですが、アニメ「桃華月憚」のキャラクターである桃花のパブリックイメージとしては、この山本桃花が正しく、前回の能登桃花がむしろ異質であったという気分がする不思議。
連れ去られた桃香は、無理矢理、胡蝶三姉妹の双六あそび(人生ゲーム?)につきあわされます。
一方、桃花へのイジメは、
お葬式ごっこと悪意に満ちたメッセージ、
弁当箱に入れられた使用済みのアレ、
などのように、桃花を対象とした明確な悪意へとエスカレートしてゆきます。
朝、真琴に後ろから声を掛けようとする桃花。
しかし、その瞬間、他の生徒が真琴に声を掛け桃花から遠ざけます。
真琴は桃花の力になってくれるはずですが、桃花を快く思わないグループは二人を接触させないよう振る舞うのです。
桃香も胡蝶三姉妹に絡め取られ、孤立無援の桃花。
いじめは、いじめられる側にとって、どこまでも不条理なものでしかありません。
自分は、なぜ、いじめられるのか?
現実世界においても、そこに答えはありません。
その存在自体を否定しようと、悪意ある者は忍び寄るのです。
顔を桃花にすげ替えられ壁に貼られたエロコラ写真、食べてくださいと渡された気色悪い虫のプレゼント、廊下でわざとらしく肩をぶつけられて自分は悪くないのについ謝ってしまう桃花。
これだけのイジメにあいながらも、ここまでなんとか耐えてきた桃花は強い子なのです。
しかし体育の時間にはボールをぶつけられ、更衣室では制服を鳥の死体で汚されます。
もはや限界。ついに涙をこぼす桃花。
そこへ紙飛行機で届けられる悪意の追い打ち。
この世界に味方はいない。
そう考えてしまったとしても仕方のない状況。
その時、桃花に眠るセイの力が発動します。
吹き飛ぶ校舎の窓ガラス。
一方、双六をゴールし白川さんのキスのご褒美を迫られる桃香
明らかに胡蝶三姉妹の罠なのですが、桃香に助けを求める桃花の魂の呼び声に気付き、白川さんを突き放して駆け出します。
ひとつ間違えば、「キャリー」(スティーブン・キング)のような展開への分岐が起こりそうな状況下、
桃花はセイの力に身を任せることを拒むのです。
そして、なんとかセイの力を鎮めようとします。
「桃花!」
その時届く桃香の声。
桃花からセイの力が抜けていきます。
この部分の桃香と桃花の会話には、桃花へのイジメに関連する言葉は何一つ出てきません。
桃香が、大丈夫か?お前はドジだから、といい、それに対し桃花が、私なら大丈夫、桃香ちゃんが来てくれたから、と返す。
日常会話の延長のようなやりとり。
それでも桃花は救われるのです。
味方になって側にいてくれる人がいる。
ただそれだけのことが桃花を救うのです。
桃香との間にできた温かなつながり、それを桃花は「生まれたての心」と呼ぶのですね。
(桃花役の早見沙織さん、うまくなりましたよね。)
この時点で桃花にとっての「イジメ問題」は事実上終結しているわけで、
てっきり、この二人のシーンの後、
「・・・ツヅク・・・あたたか〜い〜」
と、EDが始まるかと思ってしまいましたよ。
でもやっぱりそれだと「イジメはどうなったのさ?」というツッコミの嵐にもなりそう。
ラストシーン、普段通り(いつも以上?)の元気さで桃香と登校する桃花。
もう桃花は大丈夫なのです。何があっても。桃花はまっすぐで、そして強い子です。
そして胡蝶三姉妹側におけるイジメの終結
「くわばら、くわばら」
の一言で済ませたところに「脚本家 山本麻里安」のセンスを感じました。
蛇足を承知で付け加えると、かつて神仏と同列に人々に祀りあげられていたセイと、所詮ただの人形に過ぎない胡蝶三姉妹では、その力の差は歴然としている事でしょう。
セイの力の発現を見た胡蝶三姉妹は「触らぬ神に祟りなし」とばかりに桃花に関しては不干渉の立場をとることになったのが、この「くわばら」発言に集約されています。
二宮会が手を引いた後、一般生徒のあいだに広まっていた桃花へのイジメはどうなったでしょうか?
二宮会のとりなし、あるいは桃香や真琴の努力で、桃花へのイジメは消えたのかもしれません。
あるいは、これまで劇中で描かれなかっただけで、桃花へのイジメは完全には無くなっていなかったのかもしれません。
それが桃花の持つ「陰」だった。
そんな解釈も成り立つことでしょう。
でも、桃花には桃香が、真琴や章子やパル彦が、多くの味方がいることを私たちは知っています。
だから桃花は桃花として、強く生きていけるのです。
桃花の抱える「陰」。
それが明らかになることで、これまで私たちが追ってきた逆再生の物語が、また別の色彩を持って見えてくる。
これは逆再生だからこそ可能な一種の叙述トリックのようなものかもしれません。
他にも、イジメ描写の連続だと重くなってしまいそうな部分に、軽いタッチのすごろく描写を混ぜて、バランスをとると同時に、いじめられる側にとって不条理な苦痛であるところの「イジメ」が、いじめる側にとってはゲームの一つでしかないことの対比にもなっていたりと、「うまいなー、山本麻里安」と思うコトしきり。
うん、脚本家でも食ってけるよ、山本麻里安
(誉めすぎ?正直、声優脚本で、どこまでが参加声優側に任されているのかわかりません。シリーズ構成の腕による部分が実際には大きいのかもしれませんね。)
次回は「嫁」。
桃花と真琴はオレの嫁。鬼梗と寧々もオレの嫁。ついでに桃香とパル彦もオレの嫁。
章子は・・・章子はいいや。

目覚める女

「魂、大解放中」のエリスにさえ、近づこうとして弾かれ、どっか飛んでいったエルエーが哀れで哀れで・・・。
ウィニャイマルカを目指すナディとエリス。
ナディは立ち寄った町で出会った老人から魔女の村の話を聞きます。
10年ぐらい前に大きな火事で滅びたというその町から逃れた魔女ザイダを妻にしていたという老人。
老人の話すザイダの能力はエリスと重なるものです。
老人の話が真実であると確信するナディ。
一方、腕輪に操られエリスの前に現れたエルエーもウィニャイマルカへの道を指し示し消えます。
魔女がかつて空や大地、水を操る強力な力を持っていて、それによって人々に五穀豊穣をもたらした存在であったことを老人はナディに語って聞かせます。
老人によれば村を出た魔女は力を徐々に失っていくと言います。
その会話を盗聴しているブルーアイズ。
彼女はナディとエリスの追跡を独自に続けているのですね。
ガソリンを買うお金もなくなったナディたちは、またバイトを探しますが、日払いの働き口がそもそもこんな小さな町にない模様。
二人してパンのことを思い、ハラヘリの音が鳴るナディとエリス。
そんな二人にパンを差し出すリリオ。(どこから涌いた?)
同じように金欠になったリカルドは二人に「人食いネコ」に懸かった賞金を山分けする話を持ちかけます。
「人食いネコ」に先に遭遇したのはリカルド。
しかしリカルドは「人食いネコ」に足をやられます。
棒をつかんで「人食いネコ」を追いかけ始めるリリオ。
ナディやエリスの説得で、リリオはリカルドを病院に連れて行くことになりますが、傷ついたリカルドを見て、リリオにしては珍しく激しい感情がわき起こっているようです。
この部分の描写、なんだかイヤな予感のするイベントの伏線のような気がしてなりません。
頼む、生き残ってくれ、リカルド。
草原で目覚めるエルエー。
彼には腕輪に操られた間の記憶がありません。
「人食いネコ」を追いかける彼らを見つめるエルエー。
ローゼンバーグの指がEnterを叩いた瞬間、エルエーの腕輪が動作し始めます。
ローゼンバーグに報告を入れていた人物、それは腕輪に操られていたエルエーなのですね。
電話で彼に次の指示を与えるローゼンバーグ。
ローゼンバーグにとって、それは湖の見えるレストランでメリッサを待たせ、車中に鍵を探しに戻る間の出来事です。
彼は、メリッサにも隠してこれまでエルエーへの指示を行ってきたようです。
まだネコというには大きすぎる獣を追いかけているナディとエリス。
怪我をしたと思われる獣の血の跡を追うナディたちですが、それはローゼンバーグの指示に従うエルエーによる誘導だったようです。
古代遺跡の石柱の上に置かれた巨大なインカローズと共鳴し始めるエリスのインカローズ
インカローズから放たれた赤い光はウィニャイマルカへの道を指し示しているようです。
なんだかエリスの目が、黒エリスとでも言うべきものに変わってます。

 天翔たる七色の衣
 雄々しきは地を裂く炎の舞い
 猛り狂わん飛沫の怒号
 そはすべて魔性の極まり
 赤き御魂の導きの果て

清水愛のいつものエリスとは違う黒い演技にドキドキします。
今回、ローゼンバーグとエリスが詠唱したこの文句。
ブルーアイズが「嘘」と思わず漏らしたところから、魔女にだけ伝わるなにがしかの伝承なのかもしれません。
浮遊するエリスの体。
ブルーアイズのインカローズも共鳴しその輝きを増しています。
エルエーはコントロールを解かれ・・・・まあ、「エリス、僕の女神!」とかいいながら弾かれちゃうんですけど。
宮野のキモ演技は本当に一級品。
ブルーアイズによると、エリスは魂が解放された状態で回りの状況は全く理解できないとのこと。
インカローズの輝きで覚醒するエリスの力は遺跡を崩壊へと導きます。
石柱の倒壊に巻き込まれそうになるブルーアイズを助けるナディ。
しかしブルーアイズを突き飛ばすナディの体に落下する石が・・・。
エリスのインカローズが輝きを失うと同時に魂の解放は終息します。
意識を取り戻すエリス。しかしそこには傷ついたナディが・・・。
さて今回のダグ&メリッサ。
メリッサがシャワーを浴びている間に、報告の連絡を受けたローゼンバーグは、ついに目指していた終着点に計画がたどり着こうとしていることを確信します。
引き出しから取り出したのは一丁の拳銃。
その装飾は、「メイプルリーフ」の回で、不気味な光を放っていた謎の装飾、あれと同じものです。
使えるの?と問うメリッサに、僕を撃ってみるかい?と返すローゼンバーグ。
冗談では済まない何らかの緊張関係がダグとメリッサの間にはあるような、ないような、そんな毎回謎めいた演出ですよね。
たまには目的もなく出掛けるのもいいと思った、というローゼンバーグはメリッサを連れて街へ出掛けます。
メリッサの耳に輝くインカローズのイヤリング。
なんとローゼンバーグからメリッサへの初めてのプレゼントであったことが明かされます。
このスケコマシっ!メリッサとは何者なのでしょうか?
それはともかく、魔女会議下っ端のウサミミ仮面もどき!車で尾行する時は覆面を脱げよ。怪しすぎです。
湖の見えるレストランで食事を楽しんだ後、二人はホテルに宿をとったのでしょうか。
夜半にはメリッサをベッドに残し飛行機に搭乗しているローゼンバーグ。
監視していたウサミミ仮面もどきはローゼンバーグに片付けられたようです。
残されたメリッサの瞳からこぼれる涙が、てのひらのインカローズのイヤリングに落ちます。
彼女は何かを予感し、そして、その日が来る覚悟をしていたのかもしれません。
そして少なくともメリッサにとってのローゼンバーグは、真実の愛をかたむける対象であったようです。
ついに動き始めたローゼンバーグ。未だ明かされないその目的にメリッサは関わっているのでしょうか?
それとも・・・。

ところで今回のスペシャルゲストは野沢那智さん。
大ベテランのスペシャルゲストをこれでもかと投入するエル・カザド
野沢那智さん演ずるウィニャイマルカへの道を示した老人のキャラクターデザインが、なんだか野沢那智さんご本人に似ているような似てないような・・・。

次回は「惑う女」。
予告は、雨の中、エリスを後ろから抱きしめるナディ。
あかん、もう涙腺が・・・。

ついにテレビモニターが壊れちゃったかと思ったよ!!
オープニングからほぼモノクロームで始まった今回。
記憶の不確かな自分の存在に不安を覚える桃花が夢にうなされて目覚めるシーンから始まります。
かつて桃園があったという場所で夜中出会う桃花と桃香
その時から桃花は桃香のことが気になって仕方ない状態になります。
自分を見て欲しい、話しかけて欲しい、触れてみて欲しい。
完全に恋の初期症状です。
白川さんと話している桃香の姿に苦しさを覚える桃花。
由美子を交えたお姫様ごっこ桃香に唇に紅をさしてもらい頬を染める桃花。
恋の歓喜と不安に揺さぶられる桃花。
そして夕焼けの園で桃香の優しさに触れたとき、モノクロームだった桃花の世界が色づいていきます。
恋をしている。
ただそれだけで、この世界が鮮やかに彩られていることに気付く。
愛しい人がいる。
ただそれだけで、この世界に生きる意味が見いだせる。
そんな、恋のまっただ中にある時の気分を思い出させる回でありました。
桃花モノローグの多い今回の脚本。
とある声優さんのイメージと重なる、と思っていたら能登脚本でしたねー。
そこのキミ、二周目は能登ボイスの桃花を想像してゴーだ。
ところで声優脚本のトリは山本脚本になるのですね。
それはそれでなんだかすごい。
次回は「陰」。
逆再生なので桃香に恋する前の桃花が登場するはずなんですけど想像できねー。